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xin9le.net

Microsoft の製品/技術が大好きな Microsoft MVP な管理人の技術ブログです。

Microsoft MVPが社内システムを担当するのは本当にもったいないか

Award Opinion

私が Microsoft MVP を受賞したのは 2012 年 7 月でした。ちょうどその頃から社内システムの開発に従事するようになり、早 3 年が経ちました。そんな話をすると「MVP が社内システムを作ってるなんてその会社は何してんの?宝の持ち腐れじゃん」と言われることがあります。エンジニア系の MVP は確かに相対的に技術力が高いのかもしれませんが、果たして「宝の持ち腐れ」というのは本当でしょうか?

Microsoft MVP Award

※ 注意 ※

タイトルは釣りです。決して MVP がデキる奴だと言いたいのではなく、「技術力が高かったり向上心が強い人は総じてそうなのではないか?」という一般的な話をします。

社内システムの悪循環

3 年なんて短いキャリアかもしれませんが、私が感じている社内システム開発にありがちな悪循環を挙げてみます。

  • スキル不足な人が作ったシステムはトラブル発生頻度が高く、運用コストが跳ね上がる
  • 運用で手いっぱいになると、新技術の検証や新システムの構築、リプレイスなどにリソースを割くことができなくなる
  • 会社の成長を促進するどころか逆に大きな足枷になり、社内でエンジニアの地位が低くなる
  • 社内システムに魅力を感じられなくなると同時に表舞台に立てていないことにも嫌気が差し、会社を辞める

スキルが高い人がうまく設計をして構築したシステムではもちろんこの逆が訪れるでしょう。社内にしか影響を与えられないシステムであっても、良いシステムさえ作れば (当然) 会社の成長に大きく寄与できます。安心安全なシステムで社員の作業の無駄を省き、全力で業務を行える環境を提供することは本当に重要です。技術力がある人こそが会社を根底から支えるべきです。

社内システム担当に求められる万能さ

社内システムのエンジニアはシステムを作るのはもちろんのこと、トラブル対応もすべて自分で行わなければなりません。場合によってはインフラの管理も自分でしなければなりません。社内で認められるために自身が作った機能を最大限アピールするプレゼン力も必要です。最近ではフルスタックエンジニアというのは良い意味では捉えられませんが、まさにそんな万能なエンジニアが求められます

とても難しいように感じますが、(対社外ほどのレベルは要求されないとはいえ) すべてをまとめて経験できる環境はそうそうないと思います。また、仕様や利用する技術はすべて自分で詰めることができます。IT 企業であれば、気になっている最先端技術を技術検証の名目で試験的に使うことも許されるでしょう。向上心のあるエンジニアにとっては、ある種の桃源郷になるかもしれません

社内システムの顧客は社員

Microsoft MVP を受賞する前は地元の大手 IT 企業でパッケージ製品としての CAD システムを作っていました。その開発には仕様担当者がいて、自分たちプログラマーと機能のあり方や魅せ方を懇々と議論し、その上で開発を行っていました。IT 業界のよくある姿です。でもこの組織構造上、プログラマーがエンドユーザーと直接接することはありません。つまり、モノは自分の手で生み出すけれどユーザーの生の声を聞くことは決してなかったということです。営業マン/サポート/仕様担当者というフィルターを介することでしか伝え聞かない意見に正確性や価値を見出せない。そう思うことが多々ありました。

一方で社内システムにおけるエンドユーザーは社員です。社内システムを担当するようになって一番感じたことは、直接利用者から意見を貰え、ヒアリングできる素晴らしさです。どんなに細かいことも電話一本ですぐに話を始められますし、α 版 / β 版のリリースも容易です。普段からコミュニティー活動をして情報交換をしているエンジニアの方々はユーザーの生の声の聞く重要性を知っていると思いますが、それらを拾い上げ、まとめる力が要求されます。

まとめ

「Microsoft MVP だから」というのは釣りみたいなもので直接的には関係ないですが、総じて技術力の高い人、向上心の強い人が社内システムを作ることは会社にとって非常に良いことだと思います。製品やビジネスモデルは良いけど社内はガタガタ。これでは不安にしかならないでしょう。何事も礎をしっかりして足元を固めなければなりません

また、社内システムづくりは大して面白くないものだと思っている方がいるとすれば、それにも異論を唱えたいです。上述のように幅広いスキルが要求されるかなり面白い仕事で、非常に良い経験ができます。加えて、決して表舞台に立てないというわけでもありません。現に先日私が構築した社内システムが地元のテレビで紹介されました。

ふくい元気企業 -注目のIT企業 急成長の秘訣-

福井テレビのニュース番組に会社が取り上げられ、その中で構築を担当した社内システムが紹介されました。会社の運用を大きく変えた革新的なリアルタイム通知システムです。一企業の社内システムがテレビに取り上げられるなんて滅多にないことなので、とても誇らしいです!(もちろん関係者は複数名いますが) 内部の仕組みは僕ひとりが開発を担当しました。通知機構にはお得意の (?) SignalRが採用されています。表示とデータソースは個々にカスタマイズ可能で、汎用性を保ちつつも保守効率が非常に高いのが特長です。このシステムの構築を理由に社内表彰制度でMVPを受賞できるかもしれないと勝手に思っていましたが、それを前に退職してしまったのでもう叶いませんね...(ちょっと心残り

Posted by 鈴木 孝明 on 2015年9月13日

そんなこんな、私的には社内システムエンジニアとして高いスキルを持つ人を率先して据えることは大正解であり、決して「宝の持ち腐れ」にはならないと思っています。